小島動物病院AWC院長の小嶋です。
PCAPとはPathology Centered Animal Practiceの略語で、‘病理学を中心にした動物の診療’です。ここでは動物の病理学に関わることを記載しています。
病院で診察する獣医師のことを臨床医と呼びますが、動物の病理検査をする人達を病理医と呼びます。多くの病理医は大学、研究機関、企業などで病理検査を行い、診断業務はもちろんですが、検査データを元に広く医療や科学の発展のための研究や教育に貢献されています。素晴らしい仕事だと思います。
いっぽう、動物病院では自分で病理検査を行う獣医師はあまりいません。病理診断は検査会社でつけられますし、病理診断を依頼した担当医(臨床医)は診断がつけば、飼い主様に説明し、治療方針を決められるからです。それらを踏まえると、私の場合は、動物病院で仕事をしているので ‘私(臨床医)が病理診断をする’意味と価値を示さなくてなりません。しかしその方法は分かりませんでしたので、目の前にあることから始めました。
それは病気の動物の診察をすることです。
何をバカなことを言っているかと思われるかと思いますが、病理医と言われる人達が向き合うのは標本ですので、臨床医の直面する診察の課題を理解出来る方はそんなにいないと思います。ただ今目の前で求められることを精一杯やってみるとそれなりに見えてくるものはありますし、思考の原理原則は何も変わりません。臨床と病理を両立すること。両立することはそんなに難しくありませんが、意味と価値を証明するにはまだまだ道半ばですのでもっと努力しようと思います。
私は臨床と病理のぴこ太郎を気取っています。もう古いネタでしょうか?よく病理と臨床の両立について質問されることが多いので書いてみました。PCAP道は未だ五里霧中です。
麻布大学神経科診察日に病理学研究室の相原先生と。